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昨年(平成14年12月13日)に福島瑞穂参議院議員より提出された「JCO臨界事故と安全審査に関する質問主意書」(同年7月25日提出の質問主意書に続く再質問)に対して、政府より答弁書が出されましたので、以下に再質問の質問項目と併せて掲載します(茶色い文字は再質問より)。
| 内閣参質一五五第一九号 平成十五年二月七日 内閣総理大臣 小泉 純一郎 参議院議長 倉田 寛之 殿 参議院議員福島瑞穂君提出 JCO臨界事故と安全審査に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。 |
参議院議員福島瑞穂君提出JCO臨界事故と安全審査に関する質問に対する答弁書
(質問)(平成14年12月13日付「JCO臨界事故と安全審査に関する質問主意書」(再質問)より) 一、 一九八六年の硝酸ウラニル溶液についての最初の契約に当たって、動燃が一ロット四〇リットルを要求したのは事実か。
二、 この契約の際、動燃が「検査や輸送に関わる期間を短縮するため」に、これを要求したというのは事実か。
(回答) 一及び二について
お尋ねの事実関係について、核燃料サイクル開発機構(以下「サイクル機構」という。)から聴取したところ、その概要は次のとおりである。
硝酸ウラニル溶液の輸送に際しては、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律(昭和三十二年法律第百六十六号。以下「原子炉等規制法」という。)第五十九条の二第二項の規定に基づく運搬に関する確認の申請のために硝酸ウラニル溶液を分析することが必要となるが、サイクル機構の前身である動力炉・核燃料開発事業団(以下「動燃」という。)は、当該分析を実施する回数を減らすことにより分析に要する期間を短縮するため、同一の硝酸ウラニル溶液として取り扱うことができる一単位の量(以下「ロット」という。)を増やすことが可能かとの検討を日本核燃料コンバージョン株式会社(現在の名称は株式会社ジェー・シー・オーであり、以下「JCO」という。)に依頼した。この依頼を受けて、JCOから適切な臨界管理の方法に従ったクロスブレンディング(硝酸ウラニル溶液を複数の容器から同量ずつ取り出して別の複数の容器に配分することをいう。)を行えば一ロットを約四十リットルにできる旨の提案がなされたところ、動燃は提案されたクロスブレンディングであれば臨界管理の方法として問題ないと考え、昭和六十一年十月にJCOとの間で一ロットを約四十リットルとする旨の契約を締結した。
(質問) 三、 事実であれば、JCOの臨界事故は、動燃の臨界管理を無視した無理な注文によって発生したと考えられる。容量九・五リットル程度のバケツを使用していた方が、むしろ臨界管理ができたのではないかと考えるが、いかがか。
(回答) 三について
臨界管理が適切か否かは、容器の容量だけではなく、ウラン溶液の濃度、容器の形状、複数の容器を用いる場合にはそれらの容器の配置状況などとも関連するため、一概に「容量九・五リットル程度のバケツを使用していた方が、むしろ臨界管理ができた」とはいえないと考える。
いずれにせよ、原子炉等規制法第十六条第一項の規定に基づき、昭和五十九年六月にJCOに対して行った核燃料加工事業の変更の許可における臨界管理の方法は適切なものであったと考えている。
(質問) 四、 一ロット四〇リットルで「化学的組成を均一化」させようとすれば、クロスブレンディングであろうと、改造貯塔や沈殿槽であろうと約七バッチ分の硝酸ウラニルを同時処理しなければならず、一バッチ縛りを守ることができない。事故を発生させた沈殿槽に約七バッチ分の硝酸ウラニルを入れることになった「動機」は、動燃の無理な注文にあったと判断すべきであると考えるが、いかがか。
(回答) 四について
一及び二についてで述べたとおり、サイクル機構から聴取したところ、動燃は、JCOから適切な臨界管理の方法に従ったクロスブレンディングを行えば、一ロットを約四十リットルとできる旨提案されたことを受けて契約を締結したとのことであり、必ずしも動燃の注文に無理があったとはいえないと考える。
(質問) 五、 一バッチ縛りを現実的に実行するためには、一バッチ一ロットずつの生産管理を実行するしかない。これは少量容器(バケツ等のステンレス容器)を使って実現できるものであるにもかかわらず、一九八四年の硝酸ウラニル溶液製造許可は精製施設にて生産するというものであった。この施設はバッチ生産には大き過ぎるだけでなく、不純物の混入が避けられないものであった。精製施設とは不純物の精製であって、塔や槽の中に不純物が残っているからである。そこで、この施設で溶液を造るとせっかく精製した八酸化三ウランに再び不純物を混入することになって、不純物の処理という予期せぬ作業が発生することになった。その結果、弁護団の主張するようにこの不純物濃度を均一化する必要が生じて臨界事故になったのではないか。
(回答) 五について
動燃とJCOとの間で昭和六十一年十月に締結された契約に関わる契約仕様書においては、一ロットの製品の「化学的性質」が「均一である」旨が定められている。精製工程を経た八酸化三ウランにもある程度の不純物が含まれているなどの理由から、JCOが当該契約上の義務を履行するためには、八酸化三ウランの溶解に精製施設の一部を利用するか否かにかかわらず、一ロットの製品の「化学的性質」を均一化するための作業が必要であったと考えられ、「この施設で溶液を造るとせっかく精製した八酸化三ウランに再び不純物を混入することになって、(中略)この不純物濃度を均一化する必要が生じ」たとのご指摘は当たらないと考える。
(質問) 六、 以上の理由で、一九八四年の安全審査及び硝酸ウラニル溶液の製造許可は重大な誤りであったと判断されるが、いかがか。
(回答) 六について
お尋ねのJCOに対する許可及び当該許可に係わる科学技術庁の審査は適切に行われたものと考えている。
2002年12月13日付「JCO臨界事故と安全審査に関する質問主意書」(再質問)へ
(この政府回答の解説(望月彰氏)へ)
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