| たんぽぽ舎 パンフレット |
41 新しい型の「核戦争」イラク爆撃と劣化ウラン(増補版) |
| 第一刷1999年2月発行 山崎久隆、伊藤政子著 36ページ + 増補版 第一刷2002年12月 山崎久隆著 8ページ 400円 |
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| 増補版 劣化ウラン弾と戦争 (全8ページ) |
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(本文より)
イラクの劣化ウラン被害
湾岸戦争では戦車砲弾や機関砲弾をあわせて100万発以上もの劣化ウラン弾が使われたと言われている。300トン以上の劣化ウランが環境中にぶちまけられたのである。
その影響の一端がいわゆる「湾岸戦争症候群」といわれる多国籍軍兵士とその子供たちへのガンや白血病、先天性異常の多発だった。
それが湾岸戦争の影響であるのだったら、もっとも大きな影響を受けるのは、現地イラクやクウェートに住む人々である。しかしながら湾岸戦争以後の経済制裁により、現地の生活環境は劣悪な状況になると共に、現地の様子もほとんど報道されなくなっていったこともあり、なかなか実態がつかめなかった。
しかし1998年12月2日にバクダットで開かれた国際会議で、極めて大きな被害がイラクの特に劣化ウランが多く使われた地域に出ていることが明らかとなったのだ。
しかしその直後、12月17日に突如アメリカ、イギリス軍は「国連決議違反」を口実としてイラクを空爆したのである。その背後には何があるのか。劣化ウラン被害をうやむやにしようという意図も絡んでいるのではないかと十分に疑えるのだ。
12月2〜3日にかけて行われたバクダットの国際会議では、重大な健康被害の統計データが紹介されているが、これが全てではない。調査も経済制裁下の極めて困難な時期に行われたものであり、全ての被害を網羅できているものではない。
しかしそこで明らかになっているのは、91年以降ガンの発生数がそれ以前の5.6倍にはね上がったという事実である。
(続く)
(本文より)
第2次攻撃 12月17日(木)夜半〜18日(金)朝
今夜は昨日とは違う様相です。10:00PM飛行機の編隊が見え、いきなり激しい空爆を始めました。ちょうど私の部屋のベランダの前方、ティグリス川の対岸に大統領官邸の一つがあります。そこをくり返し攻撃するため、爆発音に伴う振動でホテル中が震えます。激しい爆風と煙が窓から部屋の中まで殴りつけるように吹きつけます。
私は、何も持たずに部屋を飛び出しました。ロビーに降りるとマネージャーが「下へ、下へ」と手を振り回して叫んでいます。宿泊客たちが走っている後を追うと、そこは地下シェルターでした。
私は、他の客たちと暖房もないホテルの地下に避難して、じっと攻撃のとだえるのを待っていました。そこには、100人以上もの宿泊客がいたでしょうか。隣国ヨルダンからの客、他のアラブ諸国からのビジネスマン、クルドのサッカーチームや今日結婚式をあげたばかりのイラク人カップルもいます。ラマダーンのために地方からバグダッドに出てきた家族もいます。コンクリートの厚い壁にさえぎられても、ホテルが揺れているのや、爆発音は伝わってきます。子どもたちは母親の胸に顔を埋め、5台しかないベッドのシーツにくるまり、泣き声だけが聞こえてきます。子どもだけでなく、女性客たちも震え、泣き続けています。皆うつむきがちにすわり、ただ、じっと耐えています。
私は4時間ほどそこにいながら湾岸戦争中のことを考えていました。
(続く)
(本文より)
1.劣化ウランバグダッド会議報告
98年12月2〜3日
1991年湾岸戦争で350トンあるいはもっと多くの劣化ウラニウムを含む砲弾と弾丸が、多国籍軍により使われたと推定されている。最も激しい使用はイラク南部においてで、実際の戦闘で劣化ウラニウム武器が使われた歴史上最初のケースであった。
その影響についての考察では、使用された劣化ウラニウムの最高70%は、吸い込まれ、あるいは摂取されやすいごく小さい酸化ウラン微片(粉末)となって、弾丸あるいは砲弾の煙霧化で拡散したと推定されている。体内にとどまっている限り、これらの微片(ウラン238とその崩壊物質)は、いつまでも有害な放射線を発するとともに、重金属の影響である化学的毒性をも合わせ持つ。
アメリカ国防総省はこれらの武器の放射性と化学的な危険性を不明確にすることを望んでいるようだが、我々は劣化ウラン武器の爆発に暴露された誰もが、非常に重大な脅威を受けていると信じるに足る理由があると考える。我々はこれが湾岸戦争の終わり近くになって、アメリカ軍部隊に対して陸軍自身が勧告したことに非常に明らかに示されると思う。
「万一炎上した車に入らなくてはならない場合は、劣化ウラニウム微片を吸入、あるいは摂取するのを避けるために防護措置をとらなくてはならない。人工呼吸装置あるいは保護のマスクは、手袋とともに最小限身につける必要があり、理想的には防護服を身につけること。車を出た後に手を完全に洗うこと。すべての廃棄物を処分すること。」(これらの指示は戦争の前には部隊に与えられなかった)
(続く)
◎増補版『劣化ウラン弾と戦争』ができました(B5版8頁、2002年12月発行)
「戦争NO」「イラクを攻撃するな」に役立つ内容です。
○2年前に『イラク爆撃と劣化ウラン』−新しい型の核戦争−山崎久隆(たんぽぽ舎)、伊藤政子(アラブの子供となかよくする会)共著(36頁400円)の小冊子を発行しました。幸い好評で、あちこちの学習会でも使用され、イラクへの戦争反対の運動の一助になりました。
○今回、山崎久隆さんの書き下ろしで増補頁として、『劣化ウラン弾と戦争』の8頁を追加しました。
主な内容は次の通りです
・ヨーロッパを震撼させた劣化ウラン弾
・核のゴミ「劣化ウラン」
・環境を汚染する劣化ウラン
・回収ウランも混入
・アフガニスタン
・アフガニスタン戦争と民衆の犠牲
○増補版についての山崎久隆さんのあとがきを参考までに紹介します。
増補版について 山崎 久隆
「イラク爆撃と劣化ウラン」のパンフレットを発行して既に2年が経過しました。
98年のイラク爆撃後も、米英軍機によるイラク爆撃はずっと続いています。戦争は終わってはいないのです。しかし、もし「第二次湾岸戦争」が勃発すれば、長引く経済制裁で疲弊した市民の上に、大量の爆弾・ミサイル・劣化ウラン弾の雨が降り注ぐことになります。
9月11日事件後、米国のユニテラリズム(一国主義)は「新帝国主義」の段階に到達しようとしています。アフガニスタンに続きイラクにも親米政権を作り、中東・中央アジアを支配下に置く野望が透けて見えます。(アフガニスタンを通るパイプライン建設は既に契約段階にいたり、イラク反体制派に米国石油資本が接触を図っている)
そんな戦争が始まれば、世界中いたるところで武力衝突やテロが起きるでしょう。
日本も愚かな戦争に既に荷担をしています。このままイラク攻撃にも参加していくならば、戦後の平和遺産は無と化し、再び侵略戦争を始めることになるでしょう。
戦争の現実が多少でも伝われば、止める力が生まれると信じて、増補版を送ります。
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