文責:いろりばた会議事務局
| 原発のごみ(放射性廃棄物)をどうする?……平野良一さん | |
| 今月の「原発の焦点」……………………………山崎久隆さん |
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平野良一さん(青森県)
核燃料サイクル
核燃料サイクルというのは廃物が次から次へと出てくる仕組みだ。核のゴミで処分という形が出来ているのは、六ヶ所村の「低レベル廃棄物埋設センター」「高レベル廃棄物管理貯蔵センター」だが、これは単に一般の人の目に触れないように「隔離」しているだけだ。
ウラン濃縮工場
ウラン濃縮で出た劣化ウラン9200トンと使われた遠心分離器1万2000台は「ウラン廃棄物」に分類され、これの処分方法はまだ決まっていない。
クリアランスレベルの問題
原発の廃炉解体で出てくるものの99%は、クリアランスレベル(裾切り処分)によって一般の産業廃棄物として処分しようとしている。本来日本には家庭や企業のゴミにはきちんとした法律があるのに、原発のゴミはそれとは別に原子力規制法で規制している。そのことだけでおかしいが今度はあえて一般の産廃として扱おうとしている。
低レベル廃棄物埋設センター
ここには現在「1号廃棄物」(廃液、灰など)がドラム缶13万本、「2号廃棄物」(雑固化体=手動で緊急停止をしたりした時に出たゴミ)が8千本埋設されている。今年2月に日本原燃がドラム缶の埋設テストを行った。ドラム缶を並べて寝かせアスファルトを流し込んで固めて、仮蓋を取ってみたら、一本が浮き上がって頭を出していた。これはおそらく内部告発だろうが「原燃ホームページの日報で分かる」と知らせが来て気がついた。原燃に抗議して質問状も出したが返答はない。
原発解体の際に出る、炉心の近くの非常に汚染レベルの高いものもここに「隔離」しようと現在ボーリング調査をしている。汚染レベルの高いものを日本原燃は「法令の基準値を超える低レベル廃棄物」(ということは法律違反だと思うが)とか「放射能レベルの比較的高い廃棄物」と呼んでいたが、廃炉の話の中で「高ベータ・ガンマ廃棄物」という呼び名をつけた。
高レベル廃棄物管理貯蔵センター
ここには現在616本のガラス固化体を受け入れて貯蔵している。この貯蔵プールが問題で、三つあるうちの一つで去年の7月から水漏れしている。原燃は最初は結露だと思って、結露の警報がうるさいからとその警報を切っていた。しかしどうも結露ではないということで水を抜いて調べてみると、溶接線に小さな穴が空いていることが分かった。溶接についてはかつて「溶接の資格がない人が作業をしている」という内部告発があり議会で問題になっていた。
この高レベル廃棄物の最終処分地は「原子力発電環境整備機構」が公募することになっている。
再処理工場
操業開始が再来年、ウランを使った試験を来年から開始する予定になっている。今年4月の通水作動試験では「設計図を間違えていたので合わなかった」「水を通しても大丈夫だったが蒸気を通したら破裂した」など184件の不具合があり、これも内部告発的なもので発表することになった。つい10日前にもメールで「溶接不備で配管が水漏れを起こしている。それに水ではなく薬水を使っていた」という情報が来て、原燃に問い質したが「出所が分からないものには応答できない」という答えだった。
「配管の継ぎ目40万ヶ所」「建設だけで3兆円、後始末まで入れると10兆円」と言われている再処理工場を止めるために「再処理を止めて」の署名を10月に集約する。
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プルトニウム輸送(高浜原発の不良品MOX燃料をイギリスに返送)
今回の輸送はいつもと逆ので、イギリスから運んでくるのではなくて返品する輸送。航路はぐるっと南を大回りしてイギリスにいたる。2ヶ月かけて9月に到着予定。輸送航路はどこを通っても200海里を通ってしまう。そもそも最短距離ではないこのルートがなんで定期ルート化したのかと言えば、マラッカ海峡、紅海、スエズ運河、地中海は政情の危険や周辺国の反対によって使えないからだ。逆側のパナマ運河も反対されてダメで、カリブ海諸国はみんな反対。一番アメリカに関係ない所を通ってくださいということでこのルートになったのだった。
南半球は今は冬。ニュージーランドに入港していた「この辺一帯の航路上の安全を確保する」イギリスの駆逐艦が座礁した。しかしもっと危険なのが南アフリカの喜望峰の先で通称「海の墓場」。普通の貨物船が座礁して重油が海を汚染して問題になっている海域だ。そしてこの不良品MOX燃料を持って帰った所で「これは何なのか」という話になる。もともとはイギリスが出荷した製品。欠陥があったので戻ってきたのだがいわば放射性廃棄物。また切り刻んで使えはするが「原料」とも言い難い。これを持ち帰る所からしか関電との契約が成立しないことになっているのでこんな輸送をすることになった。
浜岡原発(3、4号機で水漏れ)
3号機で蒸気配管のフランジから水漏れが発生。中電は運転を継続しながら充填材を補充してしのいだ。さらにこのことを記者発表せずに延ばし延ばしてホームページの「週間報告」枠で言い訳付きで発表。広報の姿勢はひどいものがある。その後、4号機でもほどなくして同じ水漏れが起きた。発表された写真から判断すると20本あるボルトの締め方の失敗によるものと思われる。
3、4号機でほぼ同じ時期に起きているのは、20本のボルトすらまともに締める力すらないというこで、こんな基本的な組み立てすらちゃんと出来なくなってるということであり、定検作業員の技術力がここまで落ちてきているのかとギョッとする事例だ。
これが大事故にはそのまま結びつくことはないだろうが、浜岡では今どういう状況にあるのか。相次ぐ事故で次々と周辺自治体から浜岡原発を止めろという決議が上がっている中で、こういうことが発見された。さあ、中電とすればどうすればいいのかと言えば、信頼を回復するためには、まず止める。心の中では「大したことはない」と思いつつも再度分解してきちっと施工し直すのが本当だろう。中電はそれを漏れながら運転しても構わないという姿勢だ。水漏れの程度ではなく、起こしたという事実に基づいて止めるべきだ。誰かに聞かれたら「中電は原発を運転する資格はない」と胸を張って言っていい。
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